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なぜあなたの活動から利益を上げなければならないのか

僕のコンサルタントとしての目標は、「あらゆる活動を、継続的に利益のあげられる事業にできるコンサルタントになること」なのですが(あらゆる活動とは言っても、誰かしらの役に立つ、ニーズに応える活動であることが前提ですけど。)、今日は、なぜ利益を上げることを僕が重視するのかってことをお話したいと思います。

利益、投資、成長の関係

自分で事業をやっている方とか、わかる人からしたら実に初歩的な内容ですが、今日僕がお話することを認識していない、考えたこともない、という方を少しでも減らすために、初歩的なところでもしっかりお話したいなと思っています。

おそらく多くの人の認識では、利益は事業のゴールだと考えてられていると思います。頑張って売上あげて、かかった費用を引いて残ったのが利益、ってイメージですね。

利益を増やすためには、売上を増やすか費用を削減するかの二択なわけですが、今回は売上を増やす方に絞って話をしますと、売上を増やすためには、投資が必要になります。

具体的には、人を雇ったり、製造機械を増やしたり、広告を打ったり、研究開発を拡大したり、新しいシステム入れたりする必要があるわけですね。

つまり、投資をすると売上が増え、売上が増えると(費用が売上以上に増加しない限りは)利益が増えます。図にするとこんな感じですね。

図1:投資→成長→利益増の流れ

じゃあここで疑問、残った利益はどこへ行くのでしょうか。
1つは、株主への配当ですね。
ただ、利益を全て株主に還元する会社は稀です。じゃあどうするのかというと、翌年度以降の事業の投資資金として活用されます。図にするとこんな感じです。

図2:投資→成長→利益増→投資のサイクル

つまり何が言いたいかというと、「利益はゴールではなく、事業という『サイクル』の中の1つに過ぎない。」ということです。
利益が投資資金となり、投資が売上を成長させ、利益が伸び、その利益が更なる投資へと繋がる。そうやって事業のサイクルを回して行くことで、事業活動は幾何級数的に拡大していく。これが成長企業で起きている好循環です。
しかもこれはいわゆる「自己強化型フィードバックループ」のひとつで、サイクルが回れば回るほど効果(この場合は投資額とそれによる成長)が大きくなっています。

利益こそが成長の源泉

つまり、「成長したきゃ利益を上げろ。」ということなのです。
上の図を見たら当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、企業のバランスシート等を見ていると、私には多くの企業がこの事実を十分に認識出来ていないように感じます。

利益率が米国企業等に比べて圧倒的に低いことに加え、バランスシートの右側にはキャッシュがやたらと積み上がっていたりします。つまり、毎年貯まる利益は少ないはずなのに、それすら投資に使わず、会社に残り続けている。
さらに悪い場合には、少ない利益すら会社に残らず、既存の職員の給与など、既存事業のための運転資金に消えていく企業も多い。
つまり、利益が投資につながっておらず、図2の「循環型」ではなく図1「線形」の状態で止まっているのです。

前者の場合であれば、適切な投資先さえあれば図2のサイクルが回りますが、後者の場合は投資のために資金調達が必要となり、貸手を見つけて、投資が上手くいくこと・リスクが低いことを説明するのに奔走することになります。
自己資金で投資をする場合と比べて、資金調達のスピード、投資先・負うリスクの自由度が違うし、そもそも貸してもらえないリスクもある(ちなみに僕は、自己資金が少なく、(ほぼ)全てを借入金に頼ろうとすることにネガティブなのであって、借入金を全否定しているわけではありませんので悪しからず。)
結果、ビジネスが拡大せず、新しい事業にチャレンジすることも出来ず、ジリ貧になる。

ボランティア活動も同じです。ボランティアは利益を上げないため、「利益→投資→成長」のサイクルが回りません。
関わっている人に給料も払えないから、よほどやる気のある人でもない限り、本業や家庭で忙しくなったらボランティア活動から離れていってしまう。
なので、せっかくそのボランティア活動が社会的に意義があり多くの人に広めるべきものでも、事業が拡大せず、むしろ縮小していってしまいます。

利益、運転資金がなければ、どんな活動も継続・拡大させることはできません。

僕は、役に立つ活動であればあるほど、拡大して多くの人に影響を及ぼして欲しい。そして拡大するために、利益をちゃんとあげて欲しい。

だからこそ利益を上げることの必要性をこのように説明したいと思いますし、「じゃあどうやって利益を上げたらいいの?」ってことに答えられるコンサルタントになるために、成長して行きたいと思っています。

参考書籍

世界はシステムで動く ―― いま起きていることの本質をつかむ考え方 ドネラ・H・メドウズ

システム思考の本。複数の要因が相互に影響を及ぼしあっている場合において、現状をどのように整理し、現状を変えるためにはどこにアプローチすべきか、その考え方を教えてくれる本。線形の考え方ではわからない示唆がたくさん得られる。ロジカルシンキングよりも、デザインシンキングよりも、一番大事なのはシステム・シンキングだと、個人的には思っています。超おすすめ。

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nuk
理論を学ぶだけでなく、実際に使ってみる、実践型経営コンサルタント。 東京大学法学部卒業後、キャリア国家公務員になるも、ビジネスで身を立てるため現職へ。