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失敗をおそれない ~投資を成功させる唯一の方法~

少し前の記事で、「利益が投資を生み、投資が成長を生み、成長が利益を生む。だから利益は大事」というような話をしました。

読んでいただいた方の中には、こう思った方かもいるのではないでしょうか。「投資がそんな簡単に利益につながったら苦労はない。何に投資したら良いかわからないから困ってるんだろう。」と。

この指摘は、半分正しく半分間違っています。

確かに、投資が簡単に利益につながらないことは事実です。古くなった機器を単純にリプレイスするような場合は別として、新しいこと、今まで投資したことがないものに投資するのであれば、「ここに投資すれば間違いない」と確信が得られることは稀です。実際損することもあるでしょう。しかしだからといって、成功の確信を得られないことは投資をしない理由になりません。

必要な失敗

これまでの斬新な製品やサービスは、(ほとんど)全て試行錯誤の中で生まれて来ています。初めから成功が確実なものなどありません。リスクを冒して投資した結果、(時には当初想定したものとは別の形で)実を結ぶものです。

斬新な製品やサービスを生むコツは、「アイディアの質より、量を重視すること」です。成功の確信が得られるまでアイディアを磨きこむのではなく、失敗することも覚悟の上で新しいことにたくさんチャレンジすることが投資を成功させる上では大切なのです。

AmazonのCEOであるジェフ・ベゾスは、「継続して実験を行わない会社や、失敗を許容しない会社は、最終的には絶望的な状況に追い込まれる。」と言っています。

また、「ORIGINALS 誰もが『人と違うこと』ができる時代」では、傑作を生むための方法は「多くのアイディアを生み出すこと。」と書いています。
「ある分野における天才的な創作者は、同じ分野にとり組む他の人たちよりも、とくに創作の質が優れているわけではない。」、「分野を問わず、もっとも多作な人たちは独自性に秀でているだけではなく、もっとも多くの作品を生み出す期間内に、もっともクリエイティブな作品を生み出している。」とも書かれており、ここでもトライ&エラーを繰り返すことが重要であるとわかります。

失敗すれば、損失も出ますし、面子がつぶれることもあるでしょう。しかし、失敗をおそれずに不確定な状況でも一歩を踏み出すことが、事業投資を成功させるためには不可欠です。

良い失敗、悪い失敗

一方で、失敗すればなんでもいいというわけではありません。失敗にも、「いい失敗」と「悪い失敗」があります。

良い失敗とは何なのか?どうしたら失敗を良いものに変えられるのか?そのコツを明日からご説明していきたいと思います。もったいぶってすいませんが、また明日。

参考書籍

ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 アダム グラント

オリジナリティを発揮し、過去になかったものを作るための方法について書いた名著。本文中で紹介した部分は、Part2「大胆に発想し、緻密に進める。」からの引用です。

ベゾス・レター:アマゾンに学ぶ14ヵ条の成長原則 スティーブ&カレン・アンダーソン

Amazonから株主に向けて出された過去のレターを分析し、Amazonの成長の要因を14個に整理した本。その14個のうちの1つめが「『良い失敗』を促す」である。失敗やリスクについて非常に示唆に富んだ内容が書かれているほか、顧客へのこだわり、意思決定の方法等もためになります。一企業を分析した本の中ではかなりクオリティが高い方だと思います。おすすめ。

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nuk
理論を学ぶだけでなく、実際に使ってみる、実践型経営コンサルタント。 東京大学法学部卒業後、キャリア国家公務員になるも、ビジネスで身を立てるため現職へ。