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追悼 コービー・ブライアント

普段のブログのジャンルと全然違うけどあまりに衝撃だったので。。。

コービーに関する僕の思い出

コービーを知ったのは、デビューしたばかりの時にコロコロか何かに載っていた特集漫画を読んだのがきっかけでした。名前が神戸牛にちなんでいるということで印象的でした。

何年かしてNBAのオールスターを見たらコービーが出ていました。2000年か2001年だったか、コービーからのパスでケビン・ガーネットがアリウープを決めた直後、今度はガーネットからコービーにアリウープ。これぞオールスターというプレーに痺れました。

本格的にNBAを見始めたのは2003〜04シーズン。前年に4連覇を逃したレイカーズに、カール・マローンやゲイリー・ペイトン来た年です。

その頃のコービーはチームメイトのシャックとの確執が深刻な状況となっており、シーズンの開幕直前にレイプ疑惑で起訴されるというスキャンダルもあったため、批判的な意見も沢山ありました。

結局その年もファイナルでピストンズに敗れ、コービーがテイショーン・プリンスのディフェンスに苦しんでいるにも関わらずシュートを打ち続けたことが敗因という批判もありました。

翌年にはシャックをチームから追い出して単独エースとなりましたが、得点王、1試合81点などの素晴らしい個人成績とは裏腹にチームは勝てない時期が続き、レブロンやウェイドという新ヒーローの台頭もあって、コービーは「NBAの顔」から離れていっていました。

その後パウ・ガソルがレイカーズに移籍しファイナルに返り咲くまで、コービーは冬の時代でした。ちょうど私がNBAを身始めたのがそんな時期だったため、コービーはともかく「賛否両論ある選手」という印象が強いです。

スムーズな動きから難しいシュートを決めるテクニックは唯一無二である一方で、タフショットを多用する効率的とは言い難いセレクション。非常に自分に厳しく練習熱心である一方で、他人にも厳しくチームメイトやコーチと衝突しがちな性格。数々の名場面を生み出した勝負強さを持つ一方で、勝負どころでは何があっても自分で勝負を決めにいこうとするエゴの強さもありました。

ネットでほめる人がいれば必ずアンチも湧く。ずっとそんな選手でした。しかしアンチも含めて、コービーのストイックさ、バスケットに対する愛と真摯な姿勢を疑う人はいませんでした。行き過ぎなほどにバスケットを愛し、上手くなるために手を尽くし、勝つことにこだわる。そんな彼の姿勢に、ファンもアンチも、心を動かされていました。

そんなコービーも、2016年に引退。長年酷使したせいで晩年体はボロボロだったようですが、そんな中で残した引退試合の60得点は今も伝説です。これぞスーパースターという活躍でした。コービー引退以来、このようにエゴを前面に出してドラマチックな展開を生むことができる選手がいなくなってしまい、寂しく思っていました。

突然の訃報

そんな彼が、昨日ヘリコプター事故で亡くなりました。引退からたった3年。41歳という若さでした。

引退後はOBとしてたまにレイカーズベンチにいるのを見かけました。

現役の時はいつも険しい顔をしながらプレイしていましたが、OBとしてレブロンなどのレイカーズのプレイヤーと話しているのを見るととても穏やかな表情で、印象変わったなと思っていました。引退してようやく心安らかに生活できるようになったのかな、良かったなと思っていました。

現役選手を過去の選手と比較して批判したりなど、老害みたいになってしまうOBもいる中で、コービーは現役選手への助言や、怪我をしたプレイヤーへの激励など、現役の選手にポジティブな影響を与えているように見え、今後どのようにNBAに存在感を示してくれるのか、個人的に楽しみにしていました。ついこの前も、自分の得点記録を抜いたレブロンに応援と祝福のメッセージを送ったばかりでした。

そんな矢先の突然の訃報。起きてなんとなくNBAのまとめサイトを開いたら訃報が飛び込んで来て、「は?」と声が出ました。

娘さんのバスケの試合を見に行く途中だったとのこと。最後までバスケットに関わり続けたようです。

私自身、特にコービーのファンだったわけではありません。プレーを見ていて楽しい選手だったのは間違いありませんでしたが、ライバルだったトレイシー・マグレディが好きだったのもあって、優勝を経験しているコービーを羨ましく思う気持ちもありましたし、常に緊張感を漂わせる雰囲気が少し苦手でした。

けれど訃報を見て、自分でも驚くくらいショックでした。悲しいとか涙が出るというよりは、とにかく信じられない、呆然とぽっかり穴が空いたような気分でした。今でも信じきれてないです。今度レイカーズの試合を見たら、ベンチで観戦してるんじゃないかと今でも思ってしまいます。

ネットを見ていたら「コービーは好き嫌いとかじゃなくてリスペクトの対象」と言っていた人がいましたが、本当にその通りだと思います。ファンであるかどうかに関わらず、どんな批判にも、怪我にも負けず、ひたむきに努力を続ける姿勢には畏敬の念を感じられずにはいられません。

あんなにも一生懸命生きていた人の人生が、こんなにあっけなく終わっていいはずがない…。彼の人生の第2幕がこれからどうなるのか、楽しみにしていたのは僕だけではないと思います。とにかく残念です…。

どうしたらコービーの死を受け入れられるか考えた結果、今生きていることが当たり前でない、日々を大切に生きなければならない、というコービーが教えてくれたことを忘れずに、自分の人生と、周囲の人間の人生を大切にしながら生きて行くことが、今自分にできる1番だと思いました。

残念ながら人の死の衝撃は時間とともに風化していってしまうものなので、その衝撃をこうして記録しておきます。日々惰性で生きているなと感じたら見返して、気合いを入れ直したいと思います。

最後に、コービーの永久欠番式典でのスピーチを載せておきます。

” That’s the dream. That’s not destination, that’s journey. “

彼の生き方がとてもよく現れている、いい言葉です。

心から、ご冥福をお祈りします。

ABOUT ME
nuk
理論を学ぶだけでなく、実際に使ってみる、実践型経営コンサルタント。 東京大学法学部卒業後、キャリア国家公務員になるも、ビジネスで身を立てるため現職へ。